建設業許可の申請書の中に、直前年度の工事実績を記入する「工事経歴書」と、直前3年間の施工金額を業種ごとに記入する「直前3年の各事業年度における工事施工金額」があります。
しかし、設立1期目の法人では前年度の工事実績がないため、こちらに記入できる実績や金額がありません。
このような場合、建設業許可が取れるのか、そしてどのように記載すべきなのかをご説明いたします。
会社設立直後でも許可申請は問題ありません
先に結論から申し上げますと、会社設立直後であっても建設業許可の要件を満たしていれば建設業許可は受けることができます。
建設業許可の要件はこちらです。
◆建設業許可の要件◆
(1)経営業務の管理責任者がいること
(2)専任の技術者がいること
(3)請負契約に関して誠実性があること
(4)金銭的信用があること
(5)欠格要件等に該当しないこと
(6)適切な社会保険に加入していること
この要件の中に許可申請者の工事実績が必要とはありません。
つまり、会社の工事実績は要件ではないため、なくても構わないのです。
それでは、先ほどの「工事経歴書」と「直前3年度の各事業年度における工事施工金額」にはどう記載すればいいのかを確認していきましょう。
「工事経歴書」について
「工事経歴書」とは前年度に施工した工事について工事の注文者、元請・下請のどちらか、工事件名、施工場所、配置技術者、施工金額、工期を記載する書類です。
これは、許可を受けたい業種ごとに作成しなければなりません。
また、経営事項審査を受けようと考えている場合と、受けない場合で工事経歴書の書き方が違います。
特に今後公共工事に参入したいとお考えの事業者様は、工事経歴書の記載方法についてしっかりとご確認ください。
会社設立直後で前年度の工事実績がない場合、「工事経歴書」の書類を省略してはいけません。
「新規設立のため実績なし」と工事件名の欄に記入しましょう。
「直前3年の各事業年度における工事施工金額」について
「直前3年度の各事業年度における工事施工金額」では、許可を受けたい業種ごとの施工金額の合計額を記入する書類です。
元請(公共・民間)・下請の区分ごとに金額を書く必要があります。
「その他」には、許可を受けない業種の施工金額があれば、こちらに合計して記入します。
会社設立直後で前年度の工事実績がない場合、「直前3年の各事業年度における工事施工金額」の書類を省略してはいけません。
「新規設立のため実績なし」と余白に記入しましょう。
まとめ
集めなければならない書類が少なくて済む会社設立直後の建設業許可申請は、手間と時間が減り早く申請ができるため、建設業許可への近道であると言えるでしょう。
近々法人化は考えている、または法人化したばかりの事業者様が建設業許可を取ろうとお考えでしたらしっかりと要件をご確認のうえ、早めの申請をおすすめいたします。