とび・土工・コンクリート工事業は扱う工事の範囲が広いため、取られる事業者様が多い建設業許可業種です。
今回はとび・土工・コンクリート工事業の建設業許可を取得する際の、要件や必要な資格などをわかりやすくご紹介しています。
とび・土工・コンクリート工事業の許可の取得をお考えの事業者様は、以下の記事で詳細をご確認ください。
とび・土工・コンクリート工事業とは?
とび・土工・コンクリート工事とは、大きく分けて次のような5つの工事と定義されています。
- 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立等の工事
- くい打ち・くい抜き及び場所打ぐい等の工事
- 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等の工事
- コンクリートにより工作物を築造する工事
- その他基礎的又は準備的工事
上記の番号に合わせて、具体的なとび・土工・コンクリート工事を例示いたします。
- とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事
- くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事
- 土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事
- コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事
- 地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、後施工アンカー工事、潜水工事
「地盤改良工事」とは、薬液注入工事、ウェルポイント工事等各種の地盤の改良を行う工事を総称したものです。
「法面保護工事」とは、法枠の設置等により法面の崩壊を防止する工事です。
「道路付属物設置工事」には、道路標識やガードレールの設置工事が含まれます。
とび・土工・コンクリート工事と間違えやすい工事
・「鋼構造物工事」の鉄骨工事
『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」は鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う工事、
『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」は加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負う工事です。
・「石工事」のコンクリートブロック積み(張り)工事、「タイル・れんが・ブロック工事」のコンクリートブロック積み(張り)工事
『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」は、根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等です。
『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」は建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等です。
『タイル・れんが・ブロック工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」はコンクリートブロックにより建築物を建設する工事等で、エクステリア工事としてこれを行う場合を含みます。
・「土木一式工事」のプレストレストコンクリート構造物工事
「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当します。
・「左官工事」の吹付け工事
『とび・土工・コンクリート工事』における「吹付け工事」とは、「モルタル吹付け工事」及び「種子吹付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事をいいます。
建築物に対するモルタル等の吹付けは『左官工事』における「吹付け工事」に該当します。
・「鋼構造物工事」の屋外広告工事
『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」は現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負う工事で、それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」です。
・建築系の防水工事は「防水工事」
トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当し、いわゆる建築系の防水工事は『防水工事』に該当します。
建設業許可の要件
とび・土工・コンクリート工事業について、建設業許可の要件は主に6つあります。
1.経営業務の管理責任者がいること
2.専任の技術者がいること
3.誠実性があること
4.財産的基礎・金銭的信用があること
5.欠格要件等に該当しないこと
6.適切な社会保険に加入していること
建設業許可の要件は、どの建設業種も必要となる要件の詳細はほぼ一緒です。
しかし、専任の技術者は取得しようとしている建設業種ごとに必要な資格や学歴が違いますので、ご注意ください。
一般建設業でとび・土工・コンクリート工事業の専任の技術者になれる資格・学歴など
一般建設業でとび・土工・コンクリート工事業の建設業許可を取得するには、下記の①~③のいずれかに該当する人を専任の技術者として、各営業所に常勤で置かなければなりません。
①指定の国家資格等を有している人
一般建設業でとび・土工・コンクリート工事業の専任の技術者になれる資格は以下の通りです。
②指定学科を卒業、かつ一定の実務経験を有している人
とび・土工・コンクリート工事業の指定学科は「土木工学または建築学」となり、卒業後に一定の年数の内装仕上工事の実務経験を有していれば専任の技術者になることができます。
③10年の実務経験を有している人
とび・土工・コンクリート工事業に関して10年以上の実務経験を積むと、一般建設業の専任の技術者として認められます。
実務経験は客観的資料によって経験を証明します。
特定建設業でとび・土工・コンクリート工事業の専任の技術者になれる資格・学歴など
特定建設業でとび・土工・コンクリート工事業の建設業許可を取得するには、①~③に該当する人を専任の技術者として、各営業所に常勤で置かなければなりません。
①指定の国家資格等を有している人
特定建設業でとび・土工・コンクリート工事業の専任の技術者になれる資格は以下の通りです。
②一般建設業の専任技術者の要件を満たしたうえで、とび・土工・コンクリート工事で4,500万円以上の元請工事に関し2年以上の指導監督的経験を有している人
指導監督的経験とは、工事現場主任者・工事現場監督・主任技術者・工事主任・現場代理人・設計監理者・施工監督等として、工事の技術面を総合的に指導監督した経験のことを指します。
③国土交通大臣が①、②と同等の能力を持っていると認めた人
まとめ
建設業許可は要件を満たし、それを証明する書類が揃えば受けることができます。
ただし、証明書類がかなりのボリュームですので、お忙しい事業者様は専門家を頼るのも良いと思います。
要件や必要書類を1つ1つしっかりと確認して書類をご準備いただいたうえで、申請していただければと思います。